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257.jpg ●ISBN4-89514-257-4 C0095
『誰がための文明――荘厳な嘘を超えて
荻野宏幸 著
A5判上製本
464頁
定価4,500円(本体4,286円)
2006年1月発行

●政治経済のグローバリゼーションが進展した現代資本主義社会では、文化・文明を論じるのは非効率な趣味談義とさえ見られがちだ。だが、グローバリゼーションの実態が米欧中心の政治経済制度・文化・科学技術のスタンダード化、悪く言えば押し付けであることを考えると、経済効率優先の名のもとに各地域の文化・文明の尊さを等閑に付してよいものではない。文化・文明は、パーソナルには美意識であり、価値観であり、人がよってたつ生活全般の大いなる土壌である。
 本書は、「文化は非効率な特殊化が原則」とする著者が、非効率と特殊個別化を排除する経済効率優先社会の危険性を指摘し、何故こうなったのか、どこがいけないのかを該博な知識と明晰な文章で論じた文明論集である。各章は独立した内容だが、随所に著者の豊かな国際ビジネス経験と、画家としての研ぎ澄まされた美意識、辰野隆仕込みの深い教養が感じられる労作・好著である。

【目次紹介】 序   問題意識の素描
第1章 進歩・変化と生体恒常性
第2章 「世界文化」と日本の顔
第3章 「株式会社日本」の論理
第4章 マズローの欲求階層批判
第5章 絵に見る世界観 東と西
第6章 私説「宮本武蔵」
第7章 利休の美学、室町と現代をつなぐ糸
第8章 二人のパブロ――カザルスとピカソ
第9章 日本の民家とバブルの塔
第10章 日本語を考える
第11章 キリスト教の素顔を求めて――一神教というもの
第12章 ミルの自由論の忘れもの――内なる自由の回復を求めて
第13章 オリンピックを見直そう
第14章 人間の非人間化
第15章 靖国神社に思うこと
終 章 グローバリズムとの対峙と共存

著者紹介:荻野宏幸(おぎの・ひろゆき)
 1928年東京生まれ。東京大学経済学部卒。日本航空で11年間勤務の後、博報堂に招聘されて社長室長、同社取締役(3期)を歴任し、依願退任。1974年以後、獨協大学、拓殖大学で広告論、デザイン論の講師を務めるともに、画家として4回個展を開催。
 著書に、『文明としてのデザイン』、『明治よさらば 還ろう美の聖域へ』(当社刊)。絵本に『若い木霊』『祭りの晩』(いずれも文は宮沢賢治)。現在は画業に専念。